ミルキーウェイ
                                    作 しばた よしお
それはそれは昔のことです。

おかあさんのおばあちゃんの

そのまたおばあちゃんが

まだ小さな子供のころよりも

ずっと昔・・・
        
           
神様はいつも

空のずっと高いところから

町や村の人たちを見て
いました。

 みんなよい子かな。

 いたずらをしている子は
いないかな。

 こまっている人はいないかな。
 
昼も夜も見ていました。

ただ、神様には

 ひとつ こまったことがありました。

夜が暗くて
町や村が見えないことが

あるからです。

そのころは、星はまだ生まれた
ばかりで

山のてっぺんに登っても見えないくらい

小さな光でした。
月はやさしい光で

夜空をてらしていたのですが

ときどきやせて暗くなって
しまいます。

暗い夜は神様が

みんなを見まもることが
できません。
そこで神様は考えました。

「生まれたばかりの星たちを
大きくそだてて

夜空を星の光でいっぱいにしよう。」

 そう言って神様は

星たちが たくさん たくさん

飲んで大きくなれるように

ミルクの川に姿をかえま
した。
小さな星たちはミルクをたくさん飲んで

みるみる大きくなりました。

空いちめんキラキラと
かがやきました。

ときどき あわて者の星が

家にかえるのもわすれ

いつまでもミルクを飲んでいて

あわてて家に飛んでかえることがあります。

”流れ星”です。
明るくなった空を見て

たいへんよろこんだ神様は

町や村の人たちにも

小さな星を
わけてあげることに

しました。
赤ちゃんが おかあさんのおっぱいを

飲んでいるとき

そっと赤ちゃんの目の中を
のぞいてください。

小さな星が見える
はずです。

きっと家の中を明るく

てらしているのでしょう。

ミルクの川の神様は

きょうも みんなを
見ています。

昼も夜も

いつもみんなを
見ています。